ラスタ(raster)・ベクタ(vector)
コンピュータ上で画像・図形を扱う方法には、大別してラスタ・ベクタの二つがあります。
ラスタ表現
画像を画素(ピクセル)の集合と考え、縦横に並べた(だけの)ものをビットマップ、ラスタと呼びます。拡張子BMPで表されるファイルや、それを圧縮し、表示する際に展開するものがあります。後者には、一般的に見かけるJPEGファイルやGIFファイルなどが含まれます。
■メリット
・ファイルサイズが小さく、一般的に普及している。
・写真やスキャンしたデータをそのまま変換できる。
■デメリット
・画像上に、部品や図形としての情報がないため、範囲の拡大・移動などが容易でない。
・拡大縮小した範囲の画素を再構成するため、ギザギザが目立ったりぼやけたりする。
ベクタ表現
画像のそれぞれの部品を、点・線・図形などの幾何学的な情報の集合で表すことができます。部品一つ一つが、形を表すデータやX・Y・Z軸の位置情報、色情報などを持っています。また、ビットマップを、そのような情報を持たない部品として含めることもできます。
■メリット
・部品の移動、拡大縮小、回転、消去、色の変換、透明度の設定などが容易。
・例えば、多角形の1つの頂点を移動するなどの変形が出来る。
■デメリット
・内部表現や保存形式がソフトや仕様ごとにたくさんあり、容易に変換出来ない場合がある。
・その形式をサポートしたビューアでないと表示できない。
レイヤー(ちょっと寄り道)
CADソフトや画像処理ソフトでは、ラスタやベクタを重ねて使うことが出来ます。位置的に重なっていなくても、複数の部品を配置し移動するにはそれぞれの層(Z軸の情報)が必要で、それを表現する機能や層自身のことをレイヤー(layer)と呼びます。 レイヤーがあるからベクタ表現が成り立っているとも考えられ、逆にラスタ画像はレイヤーを1つだけ持っているとも考えられます。
ラスベク変換・トレース
ベクタは、それぞれの部品の情報を基に簡単にラスタに変換することができます。それとは逆に、ラスタ(ビットマップ)からベクタに変換するには、手作業で線や図形をなぞったり、ラスベク変換(ラスタベクタ変換/RV変換)ソフトと呼ばれるものを使うことになります。その作業のことをトレース(特に設計や製図に関してはCADトレース)と呼び、それを専門とする業者も数多く存在します。ソフトを使ったオートトレースでは、ソフト自体の性能と元画像の画質によって出来が大きく変わるので、質の良いものを作るには専門知識と経験が不可欠です。
